もう
ひとつの
東京展
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アーティスト佐藤朋子さんとSHIBAURA HOUSEが協働するオバケ東京研究会の展覧会デザイン。
佐藤は、自身の書いた架空の台本を基にしたパフォーマンスを行っており、本展はその下地のような位置付けとも言える。本研究会では、それまでに専門家4人(岡啓輔、長谷川香、廣田龍平、松原始)とのまちあるきを行っており、本展では各回の資料を展示する。訪問者がこれらを閲覧することで、佐藤のリサーチ方法と編集の妙を追体験するような空間を目指した。
まちかどに開かれた本施設は、昼休みは近所の会社員が弁当を持ってきて食べたり、放課後には子供達が宿題をしに訪れる、日常的に利用する人が多い場所である。また、家具の配置は、普段から用途に合わせて利用者が調整しているため、会期中に閲覧台も移動されることを前提とした。ひとの活動に併せて日々レイアウトが変わる、この場所の柔軟性を活かした構成を考えた。
既存の家具に近いスケールで4台の閲覧台を設計し、1Fフリースペース内に点在させた。閲覧台の支持体は、施設でストックされている黄緑色のコンテナボックス。その上に、各専門家の書籍・まちあるき中の記録写真・地図・音声コンテンツ・プロフィールがレイアウトされたボードが蓋のようにかぶさっている。コンテナの格子形状を利用して、スピーカーや照明などの配線をまとめて行うことで、誰でも容易に移動が行えるよう設計した。
まちあるきと対話で想像する
『もうひとつの東京』展
/Data
Category : Venue design
Exhibition : 「まちあるきと対話で想像する『もうひとつの東京』展」
Location : SHIBAURA HOUSEフリースペース1F, Tokyo
Client : Tomoko Sato
Construction : SHIBAURA HOUSE
Completion date : 2024.01
Photo: SHIBAURA HOUSE