DESIGNTIDE
TOKYO
2024

top / mail / Instagram / note

/Text

瞬くピント
blinking focuses

今私たちに必要なのは、「みる技術」ではないだろうか。
それは、みられることや、みないことに意識を配るのではなく、自身の感覚を働かせて、ものの存在・形・様子・内容を深く探り入るような能動的な行為のことであり、カメラのピントを合わせるように、モノと自身とで対話ができる身体(想像力)のことである。

テンポラリーな空間には、独特の軽さを感じる。期間の短さや資材の簡素化も要因のひとつだが、テンポラリーさを下支えするハコの完璧さが、かえって内側の空間に空虚さを与えてしまっているのかもしれない。 例えば、ホールの天井の完璧さ。バトンやダクトレールが規則正しく並び、いつどんな催しにも対応できるよう周到に準備がなされている。木質を基調としたホール空間のなかでそれらは黒子に扮しているが、その頼もしい姿につい気をとられてしまう。 そんな完璧な天井を操作をすることで、「みる場」にふさわしい空気のかたちをつくろうと思う。

ここで過ごすいっときのための儚くドラマチックな空間ではなく、じっくりピントを探したくなるような、たっぷりとした自由な場、ひとりひとりのピントが瞬き充満するような空間を目指している。


DESIGNTIDE TOKYO 2024

/Data

Exhibition : DESIGNTIDE TOKYO 2024
Location : NIHONBASHI MITSUI HALL, Tokyo
Client : DESIGNTIDE TOKYO 2024実行委員会
Team : Rui Itasaka, Nanaka Shudo   
Collaborator : Shuntaro Yoshino(構成協力)
 nensow(会場音響)
Material sponsorship :
 SHINIH ENTERPRISE CO., LTD.

Construction : 博展
Area,Size : 680㎡
Completion date : 2024.11
Photo: Nanako Ono