上野下
スタジオ
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約1年間限定で東京上野「ABAB UENO」の6階に開設された、作品制作、保管、ときどき発表できるスタジオの空間設計。
かつて雑貨店だった時の装飾的なインテリア(モザイクタイル、光沢のある床、ペールピンクの壁など)を、拡張やマスキングをしながら空間を整えた。
スタジオと館内の客動線の間に計画された、ギャラリー・倉庫スペースはネットフェンスで囲い、半透明のボリュームとすることで、セキュリティラインでありつつ、来訪者に作家の活動を想像させるような繋ぐ働きをする。
改修前に、作品の一部として床のタイルが剥がされていた箇所があった。そこには、ビルの倉庫にストックされていた同じタイルを発見し、表裏逆にして再度敷設することにした。光沢のある床面の一部が、裏足のついたマットな表情となり、少し特異な場所として、冷蔵庫やベンチを配置し共有部とすることになった。
制作スペース内を仕切る装置として、緩衝材でカーテンを制作した。制作途中の端材や、ありあわせの家具が点在する空間の中で、既存の装飾的な空間のように自律した存在となる、円弧が連なる塊のようなカーテン。解体される頃には、作家が好きに切り抜いて梱包材として使われていた。
上野下スタジオ
/Data
Category : Architecture (Interior Renovation)
Usage : Gallery
Location : ABAB UENO, Tokyo
Client : The Chain Museum
Area : 110㎡
Collabolator : Yuki Tsutsumi(カーテン)
Construction : TOKYO KENCHIKU PLUS
Completion date : 2023.09
Photo: Ryo Yoshiya
*Excluding curtains